私はセミナーにおいても、また私の書いた
テクニックの本にも、できるだけ治療をする
上での思考法や信念、哲学を出すようにしている。
それは、「動かす」ということにおいて、
ただ単に形だけに力を物理的に与える
というのは治療ではないし、それでは人は
良くならないと思っているからだ。
私のテクニックの本以外に、動画サイトの方で、
今までセミナーで講義してきたことを、
講義録として新たに出したのだが、
テクニックの本に比べて反応が少ない。
「ああ、今の治療者のやっていること、
考え方、または臨床におけるアプローチは
こんなもんなのか?」と疑問を持たざるを得ない。
それとも、自分の作った小さな世界に
凝り固まっているか?
サザーランド先生、スティル先生、
フライマン先生、ロリン・ベッカー先生の本、
いずれも単なるテクニックしか述べないという
ことは全くないのだ。
野口晴哉先生などは、思考方法が大事と、
治療法を捨ててしまわれた。
このことの重要性に気付く治療者が、
どれくらい今後出てくるだろうか?