本当のことをいえば、これは第3眼の能力であり、
第6感を伸ばすことであり、最初から鍛えずとも
持っている人もいることであろう。
けれども、鍛えていくことは全く違う意義を持つ。
「見えざる」とは、一般の人には見えない、気付かない、
感じ取れないことであり、「それを見る」ことは、
我々治療家(師と呼んでいないことに注意してもらいたい。
世の中の大多数は治療師、または治療屋さんである)には、
必要と言う意味である。
それを身につけるには、まずよく見る、観察すること。
話を患者さんから聞いて、また術者の感じたものを聞いてみる。
そして身体を触る、検査する。
これを繰り返し、多くの情報を我々の潜在意識に蓄えていく。
するとある時点で、見ただけで感じ取れるように
なるものがある。
ただし、これを自分一人で達成するならば、
ものすごく時間がかかる。
これを短く達成するには、優れた師につくのが最も良い。
これは達人の動き、不健康な人の身体、
動きを観察することでもその能力を磨き得る。
または、相撲の立ち合いで、どちらが勝つか、
その感覚を身につける。
まだ二人の相撲取りが組み合う前の段階で
感じ取るのである。
そんなことを、まめに続ける努力こそが、
一般の人にはない能力を発達させるのである。