気持ちを1つのところにとどめてはいけない。
止まることはすなわち死を意味する。
「流水はくさらず」である。
もし治療において変化し続ける体の反応に
対してとどまることをしてしまうと、
もう別離してしまい、術者のコントロールから
離れてしまうのだ。
だから常に心はひとところにとどめて
おいてはならないのである。
体が静止しているように見えていても、
心の流動性を止めてはいないのである。
これは武術の極意であり、全てに通ずることである。
止まって停滞してしまうと、そこでは
後退が始まるのである。
後退すなわち死にいくためである。
生きて、活動を続けるものには停止はないのである。
静かなうちにも、力強い動きを感じ取る。
生命の表現として動きはあるのである。
いかなる術者もこのことを忘れてはならない。
WTS創始者 田尻 茂