ワールドセラピーシステム

長年の蓄積

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今活躍している多くのベテランの治療家も、
昔は右も左もわからず、一生懸命に勉強していた時代がある。

私もそうであった。

その昔は、今のように多様な種類の技術を
学ぶことは出来なかった。ましてやバイオダイナミクスのような
手法も概念もない。あったのは「気」を用いたものである。

多くは筋肉系操作か、按腹、脊柱骨盤を治療する
整体やカイロプラクティックである。

私は身体の触り方や、筋肉を緩める、脊柱にスラスト
(ぼきっとなるやつ)のことを学び、たいていの脊柱は全て
動かすまで練習し、また臨床でやってきた。

そのおかげで、筋肉をもむことや、脊柱の矯正が
どこまで効果を出すか、また無意味か、時として
患者さんに余計なリスクを与えうるか、
身体を通して十二分に分かった。

しかし、さんざん身体の触り方や分析の方法を
学んできたし、工夫してきたことや、私が、今もそうであるが、
武術から学んでいるものが、基礎的技術や考えの根底にあるし、
また、今の私の土台を作ったと思う。

そして今活躍中の先生方にもきっとあったと思う。
そういう意味においては幸せであったかもしれない。

しかし、今若い先生方はそういうことを学ばずに、
一気に中?上級技法を学んでいる。

だから、その技術を本当にはつかみ得てないのだと思う。

国際セミナーで外国から来られる先生方は、
当然、非常に高いレベルにある。

学んでいる先生方の身体の扱い方やポジション取りを見れば、
どのくらいのレベルの人が勉強しに来ているかは一目瞭然である。

するとどういうことが起こるか?

口調は丁寧でも、やはり「日本人はまだこのレベルだ」と
思われるか、「このレベルの受講生なら、本当はここまで
教えようかと思っていたが、そこまで教える必要はないな」と
なってしまうだろう。

もちろん一生懸命に多くのことを伝えようとしてくれた
先生方もいる。しかし、私自身が海外からの先生のセミナーを
受けてみて、そう感じざるを得ない先生もいることは確かである。

せっかく時間とお金を使って学びに行くのに、
自分のレベルの低さゆえに習得することが出来ず、
本当は素晴らしいテクニックであっても、
「ああ、これはあんまり使えないな」と思ってしまう。

ひどい受講生になると、「あの先生の技術は
大したことがない」になってしまう。
自分の未熟さを棚に上げて、である。

私が基礎基本に主眼を置いているのも、こういう理由による。

基礎建築がしっかりしていない、土台が良くないと、
家が建たないということである。

これから私が、基礎から上級に行くまでの根本を掴んでほしいため、
基礎のゼミとセミナーをやるのは、そういう趣旨からである。