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知らなかった

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整骨院または接骨院を開業できるのは、
柔整師と言う資格が必要なのであるが、

最近知りましたが、柔整師の専門学校に行って
勉強するときに、以前は柔道の初段をとらせることに
なっていたのが、今はなくなっているそうである。

元々は昔、柔術家が道場を開いていたときに、
道場でけがをした弟子の治療技術であった整復技術が、
柔術では「飯を食えない」時代になり、
裏としての技術が表になり、
接骨を生業にしたという経緯がある。

それゆえ、柔整師の資格を取るためには、
最低でも柔道の初段を取ることが義務であった。

これは柔術の「活殺自在」という考え方で、
殺す方が柔術の技で、活かす方が活法、
そして接骨、制服の技術である。

つまり、どう人体をこわすかという技術と、
どう人を治すかという技術は、表裏一体になって
学んでいたということである。

まあ、専門学校で柔道を学んでいた時代も、
単なる形式だけであったろうが、

本来は治し方、壊し方の2つで1組の技術体系であった。

私の子供の頃は、骨を折ったら整形外科に行くより、
「ほねつぎ」に行く方が確かと言われていたし、
私が成人してからも、まだ「接骨の技術」のたしかな先生がいて、
医者よりは接骨院と言う考えであった。

しかしそれは、確かな接骨技術を持っている先生の
所へ行くというのが大前提である。

今でもしっかりとした整復技術を持っている柔整師の先生は
おられるのであろうが、今の接骨院はマッサージの治療院と
大差ない仕事ぶりのようである。

そして、骨折した骨をきちんと「つなぐ」ことのできる先生は、
10件の接骨院のうち、1?2件あるかないかではないだろうか?

いまは骨折して接骨院に言ったら、整形外科に行くことに
なっている時代だからね。それはある意味で正しい。

昔の接骨院の先生は、レントゲンをつかえたのである。

今は当然ダメなので、整形外科できちんと
レントゲンを撮って診断する方が良い。

しかし医者は、骨折してずれがひどいと手術して治す、
それほどひどくなければ、そのまま固定してしまう。

技術ある柔整の先生は、折れてずれた骨を
整復して固定するのである。

今は残念ながら、それを望むのは難しそうである。

自分のことを話すのはあまりよくないが、1つの話をしよう。

私の持つ資格では、骨折を治療できないことになっている。
ただし、来られた時に骨折が明確になっておらず
(つまり医者でレントゲンを撮っていないとき)、
知らない状態で触ってしまうのは、これは除外される。
また、骨折回復後の治療はOKである。

しかし、柔整師以外の先生は、
骨折しているか否かは見極める必要はある。

私が数年前(5年くらい?)、朝、足をどこかにぶつけ、
あまりに痛いので見ると、少し変な形に指が曲がっていて、
ああこれは骨折したなと思い、

一応レントゲンを撮ってもらおうと、午前の患者さんに
連絡して時間を作り、大きな病院へ行った。

しかし治療を受け、レントゲンを撮りましょうと言うことになり
時間を聞くと、午前中には治療院に戻れそうになかったので、
私はレントゲンを撮ることをあきらめた。

なぜレントゲンを撮るつもりであったかと言うと、
何か所か折れている可能性があり、どういう折れ方を
していたのか、知りたかったためである。

返ってきた私は、自分で骨を修復し、固定してから
ガンガン冷やして、午後から普通に仕事をした。

その時にやったことが間違っていたなら、
いま足の指は曲がっていて、曲げるなどの動きに
支障が出たろうが、全くない事を見ると、
まあそこそこ良い治療をしたということである。

もちろん他人の骨折は治せないが、
自分を治すということには何の問題もない。
ただし、痛い目に合うのも自分の責任というだけであるが。

まあこんな経験がありましたと言う話ではありました。

何が言いたいかと言うと、私たち治療家は、
治す技術はもちろん完璧に必要であるが、

壊すということ・・・つまり、どこまで刺激をしたなら
身体を壊してしまうか、どういうことはやっていはいけないか、
力を加えたとき、患者さんが痛がっても、
どこまでが安全で、どこまでが危険かが
わかることは最低必要だということである。

このくらいは、人様の身体に力を加える必要がある
我々は、心得ておかねばならない。