肥田先生の作り上げた健康術は、
その辺にあるものとは全く異なります。
その効果ゆえ、能力開発法とも
言われていました。
若者が身体を強くするための
強健術から始まりました。
最初は単なる腹筋、力を込めた時に
腹に力を込めて行うことを、武術における
気合を合わせて行う単純なものから始めました。
それが次第に精度や色々な発見を積み重ね、
川合式強健術、呼吸法、子供から老人まで
できる簡易強健術、鉄棒を用いる、上・下体の
強健術となっていきました。
そして、極意の型として、「聖十字架型
操練法」を作り上げました。
これは、「肥田式天真療法」と「1分間の
強健法」の2冊においてのみ公開されています。
肥田先生は、「忙しい現代人には、
時間を多く使い、お金を使い、場所を広く
必要とする運動法は適さない。
しかもその運動に、面白みも味わいもなければ
続かない」として、繰り返しやって、上達していく
身体の変化と精神の強さを得る、しかも
時間をとられない方式を作り上げたのです。
それでも、「半年修業、1年半卒業」と言って、
いかに熱心な人でも、半年は頑張るけど、
1年半もすると、すごい効果を感じないので
やめてしまうのだ、と言っていました。
強健術は、外見上の変化と言うよりも、
自分の身体の内側に感じる、その変化を
見つめなければいけないのだと思います。