ワールドセラピーシステム

ありがたきなり

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最近私の患者さんから、「ここに通えて本当に
良かった」とか、「先生、長生きしてください」とか、
「先生に何かあったら困ります」という言葉を
よく聞くようになりました。

それは大変嬉しいことであり、治療師冥利に尽きますが、
人の生命が、何によって突然この世から立ち去らなければ
ならなくなるかは、分かりません。

私は非常に覚めているところがあり、そういう言葉より、
イキイキと人生を生きていけることが大事であると思っています。

私の患者さんは大変強く、きっと私が亡くなっても、
きっと他のよい先生を見つけて治療を受けられると思います。

また、私はそのような言葉をいただくと、大変ありがたいと
思いますが、言葉は言葉と分かり切っており、それによって
気を緩めたり、患者さんと必要以上に親密になっては
いけないと思っています。

過去の経験から、治療家と言うのは、患者さんに対し、
個人的な思い込みを入れてしまうと、冷静に対処することが
難しくなります。

それは冷たくあしらうということではないのです。
また、一生懸命に治療しないということでもありません。

常に冷静でなければ、最高の治療はなせないという
強い信念からです。

肥田春充先生は、「私と公は別」とはっきり言い切っています。

とはいえ私も人間ですので、女性の患者さんが涙を流されたり、
強く感情が動き、私の中にある同じ感情と共鳴して気持ちを
引っ張られそうになりますが、そこで私は「ぎゅー」と元に戻して、
冷静に対処します。

それも、全て訓練であり、信念を持たなければ出来ません。

私は冷たいと思われても、全く平気です。

人は口で何と言っても、心の中は全く違うことがあることは
百も承知していますから。

私にとって真実は、全てNMRTによって出てくる答えです。

それと、身体に触れて伝わってくる多くの情報が大事です。

だからと言って、ありがたい言葉を言ってくれる患者さんを
無視するのではなく、ありがたく受取り、私はあくまで
自分のするべきことに集中するということなのです。

「先生、すごいですね!」とか、「何でそんなことが分かるんですか?」
とか言われて天狗になるようならば、その人は良い治療なんかできません。
あくまでも「私と公は別」です。

ありがたい言葉を頂くから、なおさら勉強して、さらに上をめざし、
健全な生活や人生を送れるようにしてもらいたいし、
満足の行かない状態の患者さんが、一日でも早く良くなるように
更に精進、前進すべく勉強する気持ちを持って、
やり続けるというのが私の気持ちです。

私は、治療を受ける患者さんに対して、厳しく言っておりますが、
単に厳しくしているだけではなく、当然自分に対しても、
来られる患者さんの為に、自分を厳しくしています。

この辺は、十二分に理解していただきたいと思います。

私には、いつもいい顔をして、患者さんを怒らないなんていう
真似は出来ません。

今は大変優しい人が増えているし、自分に対し厳しく、
人には優しい人もおります。

しかし、治療は違うと私は思っているのです。

一歩間違えば、もしかして大変になってしまうことも
救えないこともあります。

それゆえ、厳しく言うこともあります。

真剣だから言うし、その人を本当に考えるから言います。

それを分かってくれずに来なくなる人がいても「よし」です。

野口晴哉先生は「毀誉褒貶」が非常にあったと思います。
患者さんにこういうことを言います。

「あなたは死ぬまで、自分の思っていることを外に出さず、
死んで周りの人に、良い人でしたと言われて、数年して
忘れ去られていく人間になるのか、

自分の気持ちをしっかり外にだし、時には人に嫌われても
真実を生きて、死んだときに大変な人だったね、でも
自分の思うように生きられて、うらやましいねと言われ、
何年たっても、あの人はこんなこと言っていたねと
思い出されるのと、どっちの人生選びますか?」と。

私は少なくとも治療に関しては言わせていただきます。