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痛みとトラウマ

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痛みと言うのは不思議なものである。

単に物質的肉体の損傷や、
何らかの異常によってのみ出てくるものではない。

トラウマ、つまりアクシデントによる傷害で
痛みを出しているときは、そのトラウマを
消してあげると、または切り替えてあげるだけでも
強い外傷(骨折や筋肉の断裂など)がなければ、
軽減ないしは消失していきます。

それも、消えるのは一瞬の出来事である。

これを何度も体験していると、人は、
「ああ、こんなことをやってしまったから、
当然身体は痛むのだ」と、そのとき受けた
心理ショックと共に、身体に植え付けるのだ。

まるで催眠術のようなのだ!

だから、この暗示を上手く取ってあげると、
嘘のように痛みは消える。

これは、治るという表現よりも、むしろ
消えるという表現が一番適切であると思う。

だから私が、事故、アクシデントにより、
ぎっくり腰になったり、手や足を痛めた人に、
瞬時にこれを消してあげると、

不信と言うか、理解できないというような
表情をされて、痛みのあったところを動かしている。

はたから見ていると、それもおかしいことなのだが、
患者さんは何度も動作を繰り返して、痛みを確認するので、
「何度もやらなくても、分かったでしょう」と言わないと、
本当に、うるさいくらい、笑ってしまうくらいに、
動きを確かめている。

あるいは、最初私は治療上の必要の為に、
痛い動作をあらかじめやってもらっておき、
それをカルテに記録しておくのだけど、

最初の動作より、治療後はもっとオーバーな
動きをして確かめているのだ。

これを読んだ人は、そんな馬鹿なとか、
自分ならそんなことやらない、と思うでしょう。

しかし、ほぼ全員と言ってよいほど、同じことを繰り返す。

最初の頃は私もまたかといって、笑ってみていたけど、
今はそんなことに付き合っている時間がもったいないので、

「もう痛くないのは分かりましたでしょう?」
「治すという行為が、必ずしも身体に触れて動かすことを
しないと治らないということではありません」
と私は言ったりします。

多くの人が物質論的な捉え方をしている、
あるいはしてしまっていることに気付かねばならないし、

またそれだけではダメであり、形無い、直接加える
刺激でなくとも、人体が充分に変わりうることを
知っても良い時代なのではないかと思うのです。

それこそが21世紀なのだと思います。