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用意不要力!!

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これは中国拳法の要訣である。
つまり、重要な点という事であるが、
読んで字のごとくである。

「意を用いて、力は用いず」である。
意識を使うという事であるが、
気功(中国の健康法)では、
「意」「気」「血」と言って、

「意」が「気」を運び、「気」は「血」を促すと
言うような意味となる。

これは別々の所から、
私が引っ張り出した事であるけれど、
「意識」を用いる重要性を説いたもので、
これは全く治療技法においても関係がある。

技法を用いる時に、最小の力で最大の効果を
出す事が最良であると言われている。
力を用いたなら患者さんの体は不必要に
損傷を受けかねない。

なぜなら、体というものは傷つけられないように、
身に危険を感じる外力に対して、筋性防衛が働く。

つまり、強く押されたら筋肉を固めて守ろうとする
働きのことであり、技術と言うのは如何に
この防衛反応を起こさせないで、
こちらの意図する効力を人体に伝えるか
と言う事に尽きるからである。

こちらが触れるぐらいの力しか用いないのに
痛がる状態においては仕方がないけど、

治療を受ける側が、もし治療家が加えてきた
力により不快や痛みを感じた場合、

あまりにそれが強く感じたなら、
それはきちんと施術者に伝えるべきである。

しかし、多少痛い時に、それがやがて
うすれていくなら効果があると言う事だし、
痛みがいつまでも引かず、
場合によっては増してくるならやはりすぐ、
施術者に伝えるべきである。

ただし、熟練した施術者=治療家は、
自分の加えている力によって、
患者さんの体がいかように反応しているかは、
言われなくとも分かるようでなくてはならない。

分かる先生は、言われなくても不快や痛みを
感じている事が手を通して伝わってくるものだし、
それが次第に良い状態に変わっていくのも
手を通して感じているものである。

だから、強く押されて気持ちが良いから
押して欲しいと言うような治療はおかしい。
もし、それが本当に体の治療の為になって
いる治療であると言うなら、

最初の頃は強く押さなくては感じないと言う事は、
次第に治療を受けて行くうちに、段々と弱い力でも
感じられるようになっていくのが本当である。

もし、通い続けていても、やはり強く
押されないとゆるんだ気がしないと言うものは、
どこか変であると、受ける側も気がついて
欲しいものである。

本物の中の本物。
本物と偽物。
本物のように見える偽物。
全くの偽物。

これを見抜ける患者さんが
増える事を切に願う次第である。