先日来られた患者さんが、私が平均寿命になるまで
あと10?20年あるから、まだしばらく先生のところに
通えますね、と言っていたので、
私は、「いや、わかりませんよ。人間の寿命は
いつ終わるか分かりませんからね」と答えました。
「でも先生は健康そうだし、丈夫そうだから大丈夫ですよ」と
言ってくれましたが、「たとえ健康問題がなくても、天災や
事故もありますからね。」
「でも私は、いつ自分が死んでも、今できることを、
遊びでも仕事でも勉強でもやっているから、
たとえ現在がそれに対して十分でなくても、
それらをやっているのだから今死んでも悔いないでしょう」
「ただ達成する前に死ぬのは嫌ですがね」という話をしました。
つまり私は、一年したらこれを始めるとは考えないということです。
将来こうしてこうという計画は大事ですし、なければならないと
思いますが、自分に準備が出来ていないから
それに手を付けないという考え方は嫌ですね。
いま普通に過ごしているから、明日も明後日もこのまま
同じ朝が来て過ごしていけると思ったら大間違いと
思わなければいけないと思うからです。
もし今後大地震が来て、その時何かあって、
「やっぱりあの時やっておけばよかったな」と思って
死ぬのはまっぴらであると思います。
みなさんも、今を充分に生きることをしてください。
今のこの肉体の生は一度しかなく、失われた時間は戻らず、
残された時間は同じように過ごしているようでも、違います。
今から変えるなら、明日からの自分に
少しずつ変化が訪れると思うからです。