呼吸とは面白いもので、
無意識でも行い続けられるし、
意識的に止めたり、早くしたり、遅くしたり、
長くしたり、短くしたりも出来る。
だから古来より、呼吸を制御することは、
無意識の世界に入ったり、生理現象に変化を与えたり、
悟りを得たり、体質を変化させ、ある状態に
導くために用いられた。
ある状態とは、ヨガではクンダリーニの覚醒、
仙道では養神(小周天、大周天)のために、
仏教では悟りを得る為に用いる。
また音楽家は、声量のためにも
呼吸は大事である。
呼吸はまた、感情をも表すし、
感情をコントロールすることにも用いられる。
治療において、もし交感神経や感情を
刺激する過去に触れてしまったり、
または、痛みや症状の変化を誘発したなら、
やはり呼吸は荒くなる。
しかし、治療が効果をだし、副交感神経優位と
なってくれば、呼吸は次第に深くなり、
心身はゆるみ、弛緩してくる。
余計な緊張をなくして、ゆるませ、休養させることで、
心身は爽快となり、治癒力はその後発動される。
ゆえに、治療後に、その回復のサイクル
ーリラックス、休養、復活、再生ーという
治療プロセスの間に、余計な負担を
かけないようにするのが良い。
それによってこそ、最大に治療効果を上げる。
ただし、回復のサイクルは、数分のことも、
1?2日かかることもある。