どんな疾患でも、
こうやればこうなる、とはいかない。
ただ体に向きあい、今身体が何を要求していて、
何をどれだけなさなければならないかを
一心に知ろうとすることが、治療家に要求される。
常に、今、何をするべきかを、見て、感じること。
謙虚に向き合うこと。
それだけが治療家に要求される。
うまくいかないからと言って気落ちせず、
非常にうまくいったからと言って歓喜せず、
ただ淡々と自分のすべきことを行い、
身体の内に起こっていることを見つめる。
これだけが要求されることであり、
これだけがプロフェッショナルな治療家に要求される。
そして、常により多くを学び、より多くを知って、
行うことはより少なくするべきである。
だから私は、世の中にあるような
「腰痛のためのセミナー」とか
「肩こりのためのセミナー」などは出来ない。
この人の腰痛は、あの人の腰痛とは違うのだし、
あの人の治療パターンは、こちらの人とは違うのである。