太古の昔より人間は、
マクロコスモスである宇宙とつながりを持つ
ミクロコスモスである
と考えられてきたし、また、悟りを得た人たちも
同様の言葉を残している。
自然界にある力は、人間にも影響し、また同じ力を
人間の深層に持つとも言われる。
それを一定の儀式において、つながりを
持とうとしたのが魔術であり、その神性を捉え、
修行するのが宗教であり、
身体的訓練によって、その秘密に到達し、
手に入れようとするのがヨガであり神化術である。
また、武術も究極的には悟りの世界に入る。
現に、昔の武術の中で、
初伝、中伝、奥伝というものの中には
奥伝にて密教の真言を記しているものさえある。
我々は手技により、患者さんの身体と言う媒体を通し、
人間の中にあるミクロコスモスであるパワーに関わり、
自然界のパワーとつながって、
術者自身である我々が変容を遂げていくという意味において、
過去の先達の人たちの教えや意見に
耳を傾ける価値があると思う。