症状は、それを起こす原因があるために、出ます。
それ自体を直接的に治療してほしいと、
患者さんの身体からの信号が出ていないときは、
その日には治療しません。
その時には何からの理由が、
体にあると考えられます。
つまり、そこを治療する必要がない、
炎症があり、刺激してほしくない、などです。
その時は、その他の身体の問題を見ていくか、
体の全体的チェックをして治療するわけです。
「症状」というものを黒い色に例えると、
上から見ると単色の黒の時も、
ピンク、黄色、赤、緑等の複数の色が
重なって黒色を作っている場合があります。
単色ならば、一回の治療で良くなるでしょう。
しかし、複数の重なりならば、何かも治療が必要です。
また、一回の治療の中でも、
その患者さんの状態によって
加えられる刺激量は変わります。
例えば、初めてテニスをやるとき、
コーチはいきなり試合からはやらせません。
基礎からです。
それも例えば、基礎で覚えることが20個なら、
いきなり全てを一日でやらせないですよね。
そして、もっと大事なことは、
身体には治してほしい順番があるということです。
それは、料理する時に手順があるのと同じです。
我々治療家は、身体が欲することをするべきで、
患者さんの意識が望むことをするのではないのです。
ですから、当院は患者さんの言う話は、
聞いているようでいて、
全く聞いていないという感じです(笑)